第7回日本酒会レポート | 五十嵐酒造見学

今回は埼玉県飯能市の五十嵐酒造さんに、総勢14名で酒蔵見学へ伺いました。

駅から20分ほど歩くと、自然豊かな環境の中に佇む酒蔵が見えてきます。

五十嵐酒造の歴史と背景
「天覧山」を醸す五十嵐酒造の初代・五十嵐久蔵氏は、新潟県出身。
青梅の「澤乃井」小沢酒造で杜氏として働いた後、独立して飯能で酒造りを始めました。
現在でも埼玉近辺を中心に卸しており、地域に根付いた酒蔵として地元に愛されています。
見学では五十嵐酒造5代目、五十嵐正則社長が丁寧に案内してくださいました。

洗米・浸漬へのこだわり
五十嵐酒造が特にこだわっているのは、最初の工程となる洗米と浸漬です。
これらの工程は後の品質を大きく左右するため、非常に重要な作業です。
手作業の難しさとマイクロバブル洗米機の導入
手作業で洗米すると、人によって力加減が異なり吸水率にも差が出ます。
実際に同じ量の米を手で洗い、重さを計測すると担当者ごとにわずかな違いが出るそうです。
その差を無くすため、五十嵐酒造ではマイクロバブル洗米機を導入。
これにより、誰が行っても均一な品質で洗米ができるようになっています。
吸水率の細かな記録管理
新しい年のお米を使い始める際には、毎回最適な吸水時間を計測します。
職人が目視で判断した後、重量で確認し、最適な時間を記録していきます。
前年との比較記録も丁寧に残されており、品質を安定させるための工夫が徹底されています。
温度管理された仕込み水
洗米や浸漬に使用する水はサーマルタンクで温度管理されています。
約1万リットルの水を10℃で保存し、一定の吸水率を保てるようにしているとのこと。
仕込み水は奥秩父から来る20年かけて濾過された中硬水。
カルシウム量が多く、軟水の滑らかさを持ちながら骨格のある味わいが特徴です。

麹づくりと発酵の現場
麹室では麹も見せていただきました。
食用米より水分が少なく、サクサクした食感で甘みが強く、そのままでも驚くほど美味しい。

仕込み中のタンクでは吟醸香が広がり、甘い香りだけでほろ酔いになりそうなほど。
さらに、協会酵母そのものも見せてくださる貴重な体験もありました。

上槽(搾り)の方法
槽では二種類の圧搾機を使い分けています。
- 佐瀬式(ゆっくり圧をかける) → 吟醸系に使用
- 薮田式(強い圧をかける) → 純米酒に使用
目的に応じて使い分けることで、酒質を最大限に引き出しているとのこと。
お待ちかねの試飲へ
見学後はさまざまな種類の「天覧山」を試飲しました。
仕込み水を飲んだあと日本酒を飲むと、同じ水の風味を感じられ、日本酒の約80%が水で構成されていることを実感します。

天覧山の印象
- 辛口ながらしっかり飲みごたえがあり、どれも味の個性がはっきりしている
- 生酒は柑橘のような酸味と軽い苦味
- 搾りたて新酒は優しい口当たりで後味に米の旨み
- 秋上がりは落ち着いた香りと濃醇な旨み
変わり種の紹介
- ピンク色の日本酒
→ 酵母の影響で変色。発泡感が強く、アルコール度数は10%前後。
- 日本酒で仕込んだ梅酒
→ 通常の焼酎仕込みと違い香りが優しく、梅の風味が際立つ。
- 奈良漬(4回漬け)
→ スーパーで一般的な2回漬けと違い、酒蔵ならではの贅沢な味わい。
甘さ控えめで日本酒の香りが強く、非常に好評でした。
自然豊かな酒蔵の環境
五十嵐酒造は名栗川と成木川の合流点に位置し、
澄んだ空気と川のせせらぎが心地よい、まさに酒造りに適した環境です。

最後はショッピングと2次会へ
見学後は店内でショッピングを楽しみ、その後は2次会へ移動。
製造工程を知ってから飲む日本酒は、より深い理解と愛着を感じられます。

五十嵐酒造さんのお酒はオンラインでも購入できます。